私のマニュアルに翻弄されし者たちへ

仕事柄なのか、職場が悪いのか、文書に残されていない業務が多くひたすらマニュアルを作っていた。

私はマニュアルを作っているぞ!意気揚々とそれを渡し業務を引き継いだ。

これでスムーズに取り掛かってくれるはずと思ったのもつかの間、マニュアルを見たうえでも質問が多発し、自分の業務フローがいかに属人化しているかを思い知った。

図書館を徘徊しているときに見つけたのが本書。


Wordで誰でもつくれる! 本当に使える業務マニュアル作成のルール (DOBOOKS)

WordやExcelの使い方の本は山のようにあっても、マニュアル作りの本は出回っていない気がする。

いや、これまでは自分のマニュアルクオリティに慢心し、単にマニュアル本には目もくれていなかっただけなのかもしれない。

それだとすると過去の自分をはっ倒したい気分だ。

以後、私のマニュアルを見て発狂する人を1人でも減らすために活かせるポイントがあったので振り返ります。

やめたほうがよいこと

これまで私がやっていたけど本を読んでこれはやってはいかんと改心した3つの行動はこちら

フォントを小さくする

1つの画面にたくさんの情報が盛り込めたほうが丁寧かなと思い、ついフォントを小さくしてしまっていました。

それは作り手の勝手なエゴでしかないですよね。普通に読みにくい。

使う人のことを考えていなかったなと反省しました。

無意味に色を多用する

マニュアルは形式的な文書です。適当にカラフルなマニュアルに仕上げると、急になんでこの色使うん…?と使う人の無駄なエネルギーを割かせてしまいかねません。

これまでの私といえば、その時の気分でExcelのパレットにある色を適当に選んでマニュアルを作っていました。

しがない平社員が作ったマニュアルにおいて、有名画家の絵の色使いを考察するようなエネルギーを発揮してもらう必要はないのです。すいませんでした。

体言止め

やりがちですね、体言止め。言ったそばから使ってしまっています。

体言で文章を終えてしまうと、肯定文なのか否定文なのかがうやむやになるからやめましょうとのことでした。

マニュアルは適切に業務を進めていくために作っていたはずです。

正しく指示をつたえるためならば、文章のリズミカルさはいらないのです。

した方がよいこと

続いて、本書に書かれている内容のうち取り入れていきたいことをまとめます。

更新時期を決める

絶対日々の業務に忙殺されたら忘れそう。

でも、いざマニュアルを使うタイミングで内容が古いままになっており、結局口頭で伝えたり場当たり的に修正していくのがあるあるだと思います。

マニュアルの内容が古くないか都度確認し、更新履歴を残していける丁寧な暮らしがしたいです。

いきなり作らない

業務の全体像を把握してから作るようにする。

業務の名称やどこからどこまでを一つのマニュアルとするかなど、イメージのずれを防ぐために重要なステップです。

業務内容に適したフォーマットの検討

これまで見てきたマニュアルや、過去の先輩社員の資料を見ながら何となくマニュアルを作っていました。

本書の冒頭に様々なマニュアルが載っており、当たり前ですがマニュアルの形は1つじゃないと思い出しました。

世の中にあるマニュアルを広く見て、業務に適した形式を吟味したい欲が沸き上がりました。

悩ましいもの

本書で紹介されてはいるけど、もう少し追求したほうがいいなと思った事柄をまとめます。

いい方法を知っている人がいたら教えてほしいです。

目次をつける

困ったときにすぐ必要な情報にアクセスできる環境をマニュアルを通じて整えているのだから、そのための目次はやっぱり必須だなと思いました。

クライマックスに向けて盛り上がる小説のような、最初から一語一句逃さずに読んでいく労力はかけたくないですよね。

ただ、ハイパーリンクを使うとフォルダの格納先が変わったときに全く意味をなさなくなりますよね。

これまで期待してクリックしたリンク先にアクセスできず絶望した数は数えきれないです。

私の就業先の管理がずさんなだけであればいいのですが、きっと同じ思いをしている人はたくさんいると思います。

きちんと更新していれば起こらないアクシデントなのでしょうが、結構面倒だし忘れがちだと思うんですよね…

一つの資料内でリンクをつかうのはよいけど、ファイルを跨ぐ場合はどうするのがいいんだろうな…悩みどころです。

名称のリスト管理・ナンバリング

マニュアルを大量生産するとファイル名に悩みます。

時間を空けて作ると、命名規則がバラバラで視覚的にいまいちだったり、そもそも名称からどの業務が記載されているか把握できないケースもあります。

本書ではマニュアルの一覧をExcelで作り、頭に番号をつける管理方法が紹介されていました。

番号がついているのってなんかかっこいいしぜひやってみたいと思う一方、業務に変更があり既存のマニュアル間に追加業務が発生した時、それ以後の番号を変えていくの面倒だな…と思っている自分もいます。

それぐらいは我慢しろよと言われてしまえばそれまでですが、更新は極力楽にしたいよね…でも番号管理する以上それは避けられないですよね…逡巡してしまい自分会議がまとまりません。

改善のためのアプローチ

途中で業務改善のための8原則とやらが紹介されており、こんなフレームワーク的なのがあったのかと知らなかったのでご紹介。意識低い系社会人ですいません。

  • 廃止の原則:無くせないか?
  • 削減の原則:減らせないか?
  • 容易化の原則:簡単にできないか?
  • 標準化の原則:やり方が固定できているか?
  • 計画化の原則:時間軸で考えられているか?
  • 同期化の原則:空白時間をなくせないか?
  • 分担検討の原則:担当は適切か?
  • 機械化の原則:機械化できないか?

これ以外にもECRS(改善の4原則)というものもあるらしい。

  • Eliminate:排除
  • Combine:結合と分離
  • Rearrange:入替えと代替
  • Simplify:簡素化

私はこれまで改善と聞けば容易化・計画化・機械化ばかりに目を取られていたな…と思いました。視野が虫。

何のためのマニュアルなのか

振り返ると独りよがりなマニュアルを作っていて、使う人の立場に立てていなかったと気付きました。

かなり一大イベントとして書かれているのでこの通り実現するのは実務上はかなり大変だと思うのですが、これまでの業務を振り返るいい機会になりました。


Wordで誰でもつくれる! 本当に使える業務マニュアル作成のルール (DOBOOKS)

おしまい

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